FAQ

成年後見制度や行政書士浜松総合事務所における成年後見サービスに関する、気になる質問をまとめています。

成年後見人等や成年後見監督人の報酬はいくらになるの?

成年後見人等に対する報酬は、申立てがあった時に審判で決定されます。報酬額の基準は法律で決まっているわけではないため、家庭裁判所により、業務内容や財産内容を総合的に考慮して、裁量により決定されます。平成25年に東京家庭裁判所が公表した目安額としては以下の通りです。

成年後見人の場合
管理財産額月額報酬
~1000万円2万円
1000万円~5000万円3~4万円
5000万円~5~6万円
※ 身上監護等に特別困難な事情があった場合は、上記基本報酬額の50パーセント以内で相当額を付加。
※ 報酬付与申立説明書に記載されているような特別な行為をした場合は、相当額を付加報酬として付加。

成年後見監督人の場合
管理財産額月額報酬
~5000万円1~2万円
5000万円~2万5000円~3万円

報酬付与申立説明書に記載されている「特別な行為」って何?

●訴訟手続における訴訟行為
●調停および審判手続における対応
●遺産分割協議、示談等の手続外合意における対応
●不動産の任意売却
●保険金の請求手続
●不動産の賃貸管理
●その他、申立人がが後見人等の通常業務の範囲を超えて行った、本人の財産管理、身上監護に関する行為(親族や本人との対応、不正等への対応、本人死亡に伴う対応等を含む)

任意後見人の報酬はいくらが相場?

任意後見人の報酬は、任意後見契約で定められた額となります。東京家庭裁判所が平成25年に公表した成年後見人等の月額報酬目安額に準じて定められることが多く、専門職に依頼する場合の相場は月額3~5万円程度と言われています。

任意後見の契約内容は自由に決められる?

任意後見契約は法律の趣旨に反しない限り、自由にその内容を決めることができます。任意後見人を誰にするか、その任意後見人にどのような代理権を与え、どこまでの仕事をしてもらうかは、任意後見契約をする本人と任意後見人(受任者)との話し合いにより、自由に決めることができます。

任意後見契約の契約は解除できる?

任意後見監督人が選任される前(公正証書での契約後~任意後見監督人選任前)と選任された後で、解除の方法は異なります。

●任意後見監督人が選任される前
合意解除の場合には、合意解除公正証書を作成した時、あるいは解除の合意書に公証人の認証を受けた時、すぐに解除の効力が発生します。
当事者の一方による解除の場合は、解除の意思表示のなされた書面に公証人の認証を受け、これを相手方に内容証明郵便で通知することが必要です。この通知が相手方に到達した時に解除の効力が発生します。

●任意後見監督人が選任された後
任意後見監督人が選任された後は、正当な理由があるときに限り、かつ、家庭裁判所の許可を受けることで契約を解除することができます。
また、任意後見人について不正な行為等の「任務に適しない事由」が認められる場合、家庭裁判所は本人・親族・任意後見監督人の請求により、任意後見人を解任することができます。

成年後見制度に関する助成金はある?

自治体によっては成年後見制度に関する助成金を制定している場合があります。なお、浜松市においては2024年現在で以下のような助成金制度があります。

成年後見人等に対する報酬の助成
対象知的障がい又は精神障がいがあり、成年後見人等が確定した方で、資力が十分でなく、成年後見人等への報酬の支払いが困難な方。
助成額家庭裁判所が決定した成年後見人等に対する報酬額。ただし、本人が負担できる場合は、その額を除いた額。

【助成上限額】
在宅の場合:月額2万8000円
施設入所の場合:月額1万8000円
必要書類●成年後見制度に係る後見人等の報酬助成金支給申請書
●収入・資産申告書
●世帯全員分の預貯金通帳のコピー
(1) 報酬助成期間から申請日まで記帳されたもの。
(2) 出し入れの有無に関わらず、預貯金がある場合は全ての通帳コピーを提出。
●世帯全員分の源泉徴収票
※年金や恩給等を受給している場合やその他収入のある場合。
●報酬の付与の審判に関する家庭裁判所の決定書
●登記事項証明書のコピー
※報酬の付与の審判に関する家庭裁判所の決定書が「申立人の就職の日から」となっている場合。
●その他支給者の資産等に関する書類等

本人が死亡した後はどうなるの?

本人死亡と同時に後見等は終了し、死亡後の事務は基本的には相続人となる遺族が行うことになります。そのため、遺体の引き取りや火葬・埋葬についても原則として遺族が行います。遺族がいない場合は、「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき自治体が行うことになります。任意後見契約の場合、死後事務委任契約を締結している場合は、その契約に基づき死後事務が行われます。

本人が死亡した後、後見人は何をするの?

本人死亡後の後見人の仕事としては以下の通りです。

●親族や関係者、監督人等に連絡
●死亡後2週間以内に裁判所に本人死亡の連絡票と死亡診断書又は除籍謄本(コピー・FAX可)を提出する
●法務局へ後見終了の登記申請を行う
●死亡後2ヶ月以内に管理財産の収支を計算し、引継財産を確定させる
●報酬付与の申立てを行う
●本人の財産を相続人に引き継ぎ、相続人から受領した引継書(コピー・FAX可)を、死亡後6ヶ月以内に裁判所へ提出する(提出できない場合は事前に連絡票で裁判所に連絡する)

本人が死亡した後に相続人がいなかった場合はどうなるの?

未精算の報酬や債務を除く相続財産が30万円以上の場合は、相続財産清算人選任の申立てを行うことになります。30万円未満の場合は個別判断となり、いずれの場合も家庭裁判所の指示に従い、選任された相続財産清算人や管理人に相続財産を引き継ぐことになります。