法定後見制度

法定後見制度とは?

法定後見制度概要
制度概要本人の判断能力が不十分になった後、家庭裁判所によって選任された成年後見人等が本人を支援する制度。
本人の判断能力に応じて「後見」「補佐」「補助」の3つの制度がある。
後見人等の権限制度に応じて一定の範囲内で代理、本人が締結した契約の取消しができる
手続の方法家庭裁判所に後見等の開始の申立てを行う
申立人本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長、等
後見監督人の選任家庭裁判所の判断による
必要費用
(目安)
●申立て手数料 800円(収入印紙)
保佐の場合
 代理権付与の審判、保佐人の同意を得ることを要する行為を追加する審判、申立て毎に800円(収入印紙)
補助の場合
 補助人に同意権又は代理権を付与する審判の申立て毎に800円(収入印紙)
●登記手数料 2,600円(収入印紙)
●医師による鑑定のための鑑定料
●その他、必要書類(戸籍謄本、登記事項証明書、診断書)発行にかかる代金、連絡用の郵便切手代、等
●後見人等への報酬(請求があった場合は家庭裁判所の判断による)

法定後見制度の比較

法定後見制度比較表
後見保佐補助
本人被後見人被保佐人被補助人
状態事理を弁識する能力を欠く常況事理を弁識する能力が著しく不十分事理を弁識する能力が不十分
保護者
(法定代理人)
成年後見人保佐人補助人
後見人等に付与できる権限同意権×
代理権
取消権
権限の内容同意または取消すことができる行為(*1)原則として全ての法律行為民法13条1項に記載の行為、申立てにより裁判所が定める行為(*2)申立てにより裁判所が定める行為(民法13条1項に記載の行為の一部)(*2)
代理することができる行為(*3)原則として全ての法律行為申立てにより裁判所が定める行為申立てにより裁判所が定める行為
その他●医師による鑑定を行う●医師による鑑定を行う●補助開始の審判により、補助人に同意権または代理権を付与する審判が同時になされる

(※ 〇……付与される、×……付与されない、△……審判により付与される)

権限の種類
同意権本人が単独で行った法律行為を完全に有効にする権利
代理権本人に代わって法律行為を行う権利
取消権本人が単独で行った法律行為を無効にする権利

(*1) 成年後見人等が取り消すことができる行為には、日常生活に関する行為(日用品の購入など)は含まれません。
(*2) 民法13条1項記載の行為には、借金、相続の承認や放棄、訴訟行為、新築や増改築、等が挙げられています。
(*3) 代理行為について、本人の居住用不動産の処分については、家庭裁判所の許可が必要となります。